優しい大家さん

人生2回目の単身引っ越しをしました。田舎から都会に出てきて2年目のことでした。
2回目の引っ越しということで、要領は大体つかめており、数件の不動産屋を訪ねました。時間のあるかぎり不動産屋へ行き、たくさんの物件を見ました。

そのなかでとても気に入った物件があり、入居することになりました。猫を飼っていたので、敷金がとても高かったのが大変でしたが、なんとか引っ越しも業者に頼まずに終わり、猫と、彼と、新生活を始めました。

新しい賃貸は築20年ほどの少し古い建物で、二世帯住宅のような建物でした。そしてお隣に大家さんが住んでいました。 大家さんとの距離が近いこともあり、毎月家賃は手渡しでした。大家さんはそのたびにチョコレートやお菓子をくれました。自分の部屋へ向かおうと思うと、どうしても大家さんの家の前を通らなければならない立地が不便ではありましたが、優しい大家さんだったので安心していました。

ある日、引っ越しのため荷物を運んでいると、大家さんの家の前に飾っている置物を倒して割ってしまいました。直ちに大家さんにお詫びにいき、許していただけましたが、少し落ち込みながら、部屋に戻り、荷物の紐解きをしました。お昼ごろになると、ピンポーンと、来客を告げる音が聞こえました。

引っ越し後、初のインターホンの音です。 慌てて玄関へ向かうと、そこには大家さんがいました。「邪魔なものたくさんおいていてごめんね。これよかったら食べて。」と大きな袋を手渡してくれました。食パン1斤にお弁当が4つも。とてもビックリしました。そして、都会にもこんないい人がいるんだなと心が暖かくなった瞬間でした。